トヨタの車サブスク「KINTO」
業務使用目的のため「法人契約」を検討中だけど、メリットやデメリットを知りたい!
零細法人でも審査通過できるのか?審査の難易度(甘さ)も徹底解剖します。
初めに結論を述べると
- 法人利用では、他リース会社より断然安くメリット大
- 零細法人でも、基本的に「審査は甘い」と言えるレベル(※1)
(※1:筆者見解、理由も後述しています)
Table of Contents
KINTOを法人契約で利用するメリット
一般のカーリースより断然安い
法人に限ったことではありませんが、ズバリKINTOは安いです。
一般のカーリースでトヨタ車の見積りを取り、金額をKINTOと比較すると、いかにKINTOがリーズナブルに設定されているかわかるでしょう。
それもそのはず、KINTOは「トヨタファイナンス株式会社」の資本が66.67%注入されています。
トヨタ自動車本体と極めて近い関係にあり、自社グループの車を取り扱うことから、KINTOには大きな価格メリットがあるわけです。
他リースとの価格比較は後述します。
利用料は全額経費(損金計上)にできる
KINTOの月額利用料は全額「損金計上」できます。(※2)
加えて、
- 勘定科目が単純
- 減価償却不要
複雑な経費処理が不要で、経費処理が楽だというメリットもあります。勘定科目は「リース料」とすれば良いです。(※2)
通常の購入であればは、「車両運搬具、車両費、租税公課、保険料」などに整理し、税区分も「課税or非課税」を選別する必要があります。
また、リース契約であるため、車両は固定資産には算入されません。つまり、減価償却の経費処理などからも解放されます。
利用料が全額損金計上でき、経費処理も簡単!
特に、少数精鋭運営の法人企業にとっては、経費処理が容易というのは大きなメリットと言えるでしょう。
(※2)個別の事案については担当税理士にご確認ください
コスト把握が容易
KINTOで発生する費用は月額利用料だけ!
- 自動車税
- 重量税
- 保険(自賠責・任意保険)
- 車検費用
- メンテ費用
上記費用は、全て月額利用料に含まれるため、いくら車両にお金がかかっているのか単純明快にわかります。
コストの見える化・容易に把握できる点も、法人運営上の大きなメリットの1つとなるでしょう。
頭金不要
車両購入の頭金や、購入諸経費が不要です。
車両に回す現預金を温存できるため、資金の有効活用が可能となり、資金繰りや経営の安定化を図ることができます。
与信・信用棄損しない
車両を購入しローンを組んだ場合、法人の貸借対照表上では「負債」が増えます。
もちろん、資産の部も増えるのですが、通常、銀行評価としては「購入額未満の資産評価」となってしまいます。
つまり、車両を購入する場合は貸借対照表が悪化するのです。(※例外もあります)
一方、KINTOの場合、ローンではないので貸借対照表上の「負債」が増えることはありません。
リース料は債務ではないので、信用棄損せず、与信も傷つけないというメリットがあります。
事故でも安心!フルカバーの車両保険付帯
KINTOを法人契約する場合、保険も万全なので安心できます。
- 自賠責
- 車両保険付きの任意保険
これらは、全てKINTOの利用料に含まれています。
任意保険には、フルカバータイプの車両保険もついており、万が一の事故の場合も安心です。(代車の手配も、もちろん可能)
運転対象者は「法人の役員、職員、役員職員の家族」とかなり幅広いです。
同じく、少人数経営の法人には大きなメリットと言えるでしょう。
もし、全損事故や盗難を起こした場合も、契約者の負担額は発生しないので安心!
全損事故または盗難の場合、リースカー車両費用保険特約を付帯しているため、リース規定損害金はKINTO付帯の自動車保険(任意保険)にてカバーされますのでお客様の負担は発生しません。KINTOのご契約は中途解約となりますが中途解約金は発生しません。
出典:KINTOよくある質問
KINTOを法人契約で利用するデメリット
上記のように、メリットは多数あるのですが、法人ならではのデメリットも存在します。
月間走行距離を選べない
KINTOの場合、月間平均走行距離換算で上限1500kmと定められています。
(車両返却時に月間走行距離「平均」を算出 → 1ヶ月あたりの平均距離1500kmが上限走行距離となる。)
一方、通常のカーリースでは、1000kmや2000kmなど、契約時に法人ニーズに合った走行距離を選択することが可能です。
KINTOは1500km上限の「1プラン」しかないため、営業車として使い倒す場合には、デメリットの1つとして把握しておく必要があります。
ちなみに、走行距離をオーバーした分は車両返却時に清算となります。
- トヨタ車:11円/km
- レクサス車:22円/km
中途解約は違約金が発生する
車両を購入する場合、車が不要になった場合は売却すればそれで終わりです。
しかし、KINTOの場合は途中解約する際、解約金が必要となります。
KINTOの公式WEBサイトは、わかりにくいので、わかりやすく表にしました。
3年契約(36か月)の場合、経過期間別の解約金は以下の通りです。
例えば、18か月目で解約する場合、月額利用料の3か月分の解約金を支払う必要があります。
なお、中途解約金に関しては、KINTOでも一般のカーリースでも、いずれにせよ必要となります。
むしろ、KINTOは解約金が安く、デメリットではなく逆にメリットとも言えるかもしれません。
中古車は選べない
法人の場合、コスパに優れる「中古車」を選びたい方も多いのではないでしょうか?
しかし現状では、KINTOで中古車を選択することはできません。
(過去に実験的に、群馬トヨタU-park高崎江木店で取り扱った事例はありますが、現在は休止中)
どうしてもコスパ良好の中古車をお探しの法人企業にとっては、デメリットとなるでしょう。
選択できない車両やグレードあり
トヨタ車であれば、全車種KINTOで取り扱いがあるわけではありません。
例えば、法人需要の根強い
- カローラアクシオ
- カローラフィールダー
- ハイエース
これらの車種はKINTOでは選択できません。
同じく、全てのグレードやオプションがKINTOで選択/装着できるわけではありません。
車種選択やグレードの選択幅が限られるといった点も、1つのデメリットと言えるでしょう。
法人契約では「のりかえGO」が対象外
通常、KINTO契約を途中解除すると解約金が発生します。のりかえGOは、中途解約の解約金に比べ、割安な手数料で車をチェンジできるサービスです。
しかし、法人契約は「のりかえGO」の対象外となります。
契約期間中に、どうしても車を変更したい場合は、解約金を支払い、新たに車を契約するしかありません。
法人契約したKINTO車両で事故を起こしたら?
経営者としては「万一の事故」は不安の種ですよね?
でも、KINTO付帯の保険(車両保険込み)でカバーされるので、心配する必要はありません。
まず、前提の基礎知識として、KINTOの自動車保険の補償内容は以下の通りです。
対象先 | 補償内容 | |
相手側の | 人 | 無制限 |
モノ | 無制限 | |
自分側の | 人 | 5,000万円/1人あたり(※3) |
モノ | 最大自己負担額:5万円(※4) |
(※3)運転者および同乗者がケガをした場合、1名あたり5,000万円まで補償されます。
(※4)どれだけ損傷が激しくても、(法人の)自己負担額はMAXで5万円です。
相手側への補償は全く心配ありません。KINTOの自動車保険には「無制限保証」が付保されているので。
これらを踏まえ、事故の内容別に補償の内容、自己負担(=契約法人の自己負担のこと)、中途解約金を見ていきましょう。
内容 | 自己負担額 | 中途解約金 |
もらい事故 | 0~5万円 | – |
ぶつけた | 0~5万円 | – |
全損事故 | 0円 | 不要 |
盗難被害 | 0円 | 不要 |
もらい事故の場合
もらい事故の場合、相手方からの賠償金が免責額に先に充当されます。つまり、相手方から5万円以上の賠償金が支払われれば、法人の自己負担額は0円となります。
ぶつけた(自損)
すべてこちら側に過失があるケースを仮定すると、修理費用全額ではなく、上限5万円までが自己負担額となります。
- 修理費用が60万円でも、5万円の自己負担
- 修理費用が12万円でも、5万円の自己負担
- 修理費用が3万円なら、3万円の自己負担
全損や盗難被害にあった場合
契約は強制的に終了します。中途解約金やペナルティの違約金は発生しません。
では、中途解約金が発生するケースは?
- 契約期間中に自己都合で解約したいとき
- 地震・噴火・津波の被害で車が全損したとき(※5)
(※5)台風・大雨・洪水・河川の氾濫による被害はKINTO付帯の車両保険でカバーされます
1.については言うまでもありません。
2.について、中途解約となり「規定損害金」を支払う必要があります。
ざっくりですが、「残リース料金」+「車両本体価格の55%相当額」が規定損害金として請求されます。
結構厳しいですよね??公式サイトからの引用と参考リンクを貼っておきます。
第20条(規定損害金の一括支払い義務および自動車の返還義務)
リース期間が3年の場合(以下「3年契約という」)
〔算式:規定損害金=36ヶ月分のリース料相当額 (注1)+車両本体価格(注2)の55%相当額-支払済みのリース料(注3)-未発生費用合計(注4)〕
(注1)ボーナス月の加算額を含む(注2)本サイト上の申込画面およびログイン画面上の契約内容に表示された「車両本体価格」(注3)リース開始月以降から既に更新したリース期間中に支払ったリース料も含む(注4)公租公課、自動車保険料、メンテナンス費用、金利等
KINTO法人審査の流れと必要書類
続いて、法人契約時のKINTOの審査についてみてみましょう。
個人・法人問わず、総じて言えることは、KINTOの審査は甘め傾向にあるということです。
法人申し込みと審査の流れ
申し込み方法は、個人でKINTOを申し込む手順と同じ流れです。
- KINTO公式サイトで必要事項入力し申し込み
- 申し込み後、確認メールが送付される
- 確認メールのURLを48h以内にクリックすることで申し込み完了
審査の流れも基本的に個人申し込みと同様で、
- 申し込み時に法人情報と、代表者の情報を入力
- 仮審査などはない
- 法人契約では5営業日以内に審査結果の連絡あり(メール)
法人審査における入力項目
特に審査に影響を与えると考えられる入力項目は以下の通りです。
【法人の与信に関すること】
- 設立年月日
- 資本金
- 年商
- 自動車保有台数
- 利用用途
【代表者(連帯保証人)の個人属性に関すること】
- 年収
- 住居形態
- 住居年数
法人審査に必要な書類
- 代表者(連帯保証人)の本人確認書類
- 法人名義の口座または法人契約のクレジットカード
- 法人番号(任意)
連帯保証人は代表者以外認められないため、代表者の本人確認資料が必要です。
- 決算書
- 履歴事項全部証明書
一般的なカーリースであれば、直近3期分程度の決算書の提出を求められるケースがありますが、KINTOの場合は提出不要です。
法人審査は甘い?難易度は?
KINTOは、法人審査も甘いと推測できます。
理由は、KINTOを個人契約する際の審査で記述した理屈と同じです(要は、トヨタは利用者を増やしたい思惑がある)
加えて、法人審査も甘いと考えられる理由は、
- 法人に対する提出書類が少ない
- 代表者の属性入力項目が少ない
【理由1】審査を受ける法人に対する提出書類が少ない
KINTOは提出書類が少ないです。(というか法人に関する提出必要書類は無い・・)
一般的に、カーリースで審査に関わる代表的な項目としては以下の通りです。
- 会社規模
- 事業内容
- 設立年数
- 負債額
- 売り上げ推移etc
これらを確認するため、通常であれば「過去3年分の決算書」と「法人の履歴事項全部証明書」の提出が求められます。
しかしKINTOは提出不要。さらに、会社の負債額の入力項目もない。。
少なくとも、審査が厳しいというのは、かなり考えにくいでしょう。
【理由2】代表者の収入などの属性入力項目が少ない
審査に関わりそうな入力項目は、年収と住居形態です。
入力項目が少ないのと同時に、証拠となる書類も「提出不要」です。
代表者個人の提出必要資料は、本人確認書類だけ。
法人の提出書類が少ないのと同様、代表者個人(連帯保証人)の提出書類も少ないのです。
KINTOは高い?法人向き車種で他カーリースと価格比較
KINTOは高いと思われているかもしれませんが、実際全くそんなことはありません。
一方、KINTOは法人も個人も価格設定が全く同一で、法人契約としては「非常にリーズナブル」に設定されています。
法人需要の多い車種で、他リース会社と法人リース料金を比較してみましょう!
カローラ
<比較条件>
- グレード:カローラハイブリッドS 2WD 1800CC
- オプション:最低限のマットとETCのみ
- 月間走行距離:~1500km
- 利用期間:3年
- メンテプラン:あり(※6)
(※6:KINTOと同じレベルのメンテを受けるためには、各サービスでメンテプランに加入する必要があるため、メンテありのプランで比較します)
【価格比較結果】
リース会社 | 利用料 |
KINTO | 月額 55,440円 |
オリックスカーリース(法人) | 月額 71,610円 |
カルモ | 月額 78,793円 |
<KINTO>
55,440円
<オリックス>
71,610円
<カルモ>
78,793円
(↑「オリジナルプラン」からのシミュレーションが必要です)
法人利用の場合、圧倒的にKINTOが安いことがおわかりいただけるかと思います。
(特に、オリックスは法人リースが高い。。)
安い理由は、トヨタ資本が入っているから。本体に近いから。卸売りが安い原理と全く同じロジックです。
さらに忘れてはならないのが、オリックスやカルモには任意保険料が含まれていないこと。
つまり、さらに別途月額料金が掛かるということです。
一方のKINTOは、月額利用料に任意保険料が含まれており、さらに大きな価格メリットと言えます。
カローラツーリング
荷室が広く、法人需要の強いカローラツーリングに関してもシミュレーションしてみましょう。
<比較条件>
- グレード:カローラツーリング W×B GAS 1.8L 2WD
- オプション:最低限のマットとETCのみ
- 月間走行距離:~1500km
- 利用期間:3年
- メンテプラン:あり
結果だけ記述します。
【価格比較結果】
リース会社 | 利用料 |
KINTO | 月額 50,600円 |
オリックスカーリース(法人) | 月額 72,710円 |
カルモ | 月額 66,143円 |
明らかにKINTOが割安であることがわかります。
同じく、オリックス&カルモは、任意保険を別途契約(別料金)となることもお忘れなく。
レクサスを法人利用→リース価格比較
レクサス車にも旺盛な法人ニーズあります。
車両価格が高額なので、購入するかリースにするか迷うところでしょう。
トヨタ車と同様にカーリース業者間で価格比較をしてみます。
レクサス車「法人カーリース」価格比較
はじめに、、
レクサス車の法人カーリースは取扱業者が非常に限られています。
さらに、利用料に関しては「詳細は個別お問合せ」という形になっており、詳細な利用料が把握できないケースが多いです。
また、各社取り扱い車種が少なく、条件を揃えた横並びの比較ができないことをご理解ください。
また、KINTOでも現在3車種のみの取り扱いとなっています。
- レクサスRX
- レクサスRXモデリスタ
- レクサスRC
法人需要があるか微妙ですが、今回はレクサスRXで価格を比較したいと思います。
<比較条件>
- グレード:レクサスRX300 “F SPORT” 4WD
- オプション:最低限のマットのみ
- 月間走行距離:~1500km
- 利用期間:3年
- メンテプラン:あり(※7)
(※7)オリックスカーリースではレクサスRXのメンテプランは選択不可でした。
【価格比較結果】
リース会社 | 利用料 |
KINTO | 月額 107,140円 |
オリックスカーリース(法人) | 月額 145,310円 |
カルモ | 取り扱い無し |
<KINTO>
<オリックス>
こちらも明らかにKINTOが安いと言えるでしょう。
オリックスカーリースの場合は、
- メンテ無し
- 自動車保険無し
この条件での価格ですので・・・。
KINTO法人契約と個人契約の違い
法人契約と個人契約の主な違いを以下動画が参考になります。
運転できる人(事故の際に保険適用される人)
個人契約と法人契約の違いは、運転者の範囲。
- 個人契約:契約者と契約者から許諾された人(例えば友人なども可能)
- 法人契約:法人の役員、職員、役員職員の家族(※8)
(※8)ご契約法人の役員及び直接雇用のある職員(パート・アルバイト含む)です。派遣社員・委託先社員は含まれません。
中途解約
- 個人契約:契約者の死亡や海外転勤、免許返納時などは、中途解約金が掛からない
- 法人契約:上記事象においては中途解約金を支払う必要がある
ボーナス支払い有無
- 個人契約:ボーナス払いを選択可能
- 法人契約:ボーナス払いは選択できない
のりかえGO
- 個人契約:のりかえGOの対象
- 法人契約:のりかえGOの対象ではない
法人利用に関するQ&A
KINTOを法人で契約するにあたり、よくある疑問をQ&A形式にまとめておきました。
仮審査はある?
個人契約同様に仮審査はありません。「申し込み=本審査」を意味します。審査通過した場合でも契約する義務はありません。
法人審査の所要時間は?
個人契約、法人契約ともに3営業日以内を目安にメールで連絡があります。
審査落ちしたら?
より審査が柔軟なカーリースに申し込むのが良いでしょう。コチラの内容が参考になるかと思います。
個人事業主の契約はどうなる?
個人事業主の場合「個人」としての契約となります。
契約満了後、延長し返却しないことは可能?
「解約金フリープラン」で契約した場合は、延長可能(満了後の再契約が可能)です。ただし、契約当初に解約金相当額を前払いする必要があるので、おすすめはしません。(解約するかわからないのに、解約金を前払いするのは理にかなっていませんよね?しかも解約せずとも、解約前払い金は返却されません)
契約終了後、買取することは可能?
できません。
法人契約のKINTO車両を通勤に使っても良い?
通勤に使ってよいかどうかは、会社と従業員間の規則・取り決め次第です。
法人契約のKINTO車両を個人使用してもよい?
同じく、会社との取り決めや規則次第です。ちなみに、仮に事故を起こした場合でも、保険は適用されます。
保険証券は発行される?
いいえ発行されません。KINTOのマイページ「契約内容証明書」に「自動車保険(任意保険)」の詳細があるので、この書類を証明書代わりに使います。
自動車税の納付はどうすれば良い?
自動車税は納付する必要はありません。KINTOの月額利用料に含まれているからです。
- トヨタ車であれば、KINTOが安い事実は揺るぎありません。
- 理由は「トヨタ本家」の資本が入っているから。
- 特に法人契約は、他リース会社に比べ価格が安い。